カテゴリー別アーカイブ: 堀江神父様から

堀江神父様からの手紙(発信昨年11月です)

皆さまお元気ですか。

今ロライマは猛暑というか焼けた日差しに炙られ痛みを感じる痛暑の時ですが、それでもロライマの乾期風が草原を流れるように吹き始めてこの痛みを和らげてくれます。

最近ギヤナ国とロライマ州のインディオ民族への宣教者が集まり有意義なひと時を過ごしました。
ギアナは二人の英国人のほかは皆インド人宣教者です。
ロライマの大半は60年以上もイタリア生まれのコンソラタ宣教会が受け持ってきましたが、現在は殆どが、コンゴ、ケニア、エチオピアなどアフリカからの宣教師たちで、彼らは宣教の第一線で働いています。
この人々と一緒に働けるという事は素晴らしい喜びそして大きな励みです。

かつては西欧の植民地であった国々が、今は世界に向かって愛とゆるしのミッションを捧げています。

かれらの生まれ育ったコンゴの森、ケニアの高原、インドの山地のことなど聞きながら、ロライマに集結するアジアとアフリカの新しい息吹きを感ぜずにはおられません。

日本でのアフリカのイメージは、内乱、飢餓、難民ですが、めっぽう明るくそして若い宣教師たちは歴史の全く新しい地平を私に示してくれました。

長い間その尊厳を無視されてきた先住民と共に歩むアフリカ人宣教者の心は外で見るよりももっともっと深いところで結ばれているのを発見します。
奴隷として苦しんだ無数の同胞の苦難を背負っている人々は誰よりもインディオ民族を励ますことが出来るからです。

ところで、
四年近く住んだモスコー村から間もなく移動することになりました。
次の便りはノーボパライゾ、訳して「新パラダイス」村からお届け出来るでしょう。

主キリストの良きご誕生をお迎えしましょう。
旅の人イエスの誕生から皆様、すべての人々に生きる喜びが与えられますように。
感謝と祈りのうちに。

                  ロライマ、堀江節郎

堀江神父様から7月30日付の最新のお便りです

みなさま、お元気ですか。
いつもご無沙汰していて申し訳ありません。
おかげさまで毎日元気で働いています。とは言ってもかなり疲れも感じる毎日です。

ロライマ地方は今雨季の真っ最中で、今年は二年続いた乾期を
補うかのようにほとんど毎日激しい雨が降り続いています。大地は潤い草原地帯全域が湖のようになりました。
本当にうれしい事ですが土の道は泥海になり車を走らせるのが困難になります。
ですから雨季は水や泥との闘いのようです。
雨に濡れ過ぎると、風や肺炎などを併発したり色々な病気になりやすいので要注意です。
今年は雨の当たり年で作物も豊年らしく人々は毎日畑の除草のため働いています。たくさんの人々から収穫したてのトウモロコシを沢山頂きます。

ところでこの八月はリオデジャネイロでオリンピックが開かれるのですが4000キロも離れているロライマに住んでいると何となく別な国の出来事のようです。とくにインディオ居住地の「月の山脈」にいるともっと大きな距離を感じます。
今年5月余りすっきりしない形であたらしい政府が誕生しましたが、汚職の疑惑を受けた閣僚がいっぱいで、土台そのものが不安な政府です。先住民擁護に関しては前政府と全く同じで開発至上主義と経済効果第一の構造はますます自然破壊と先住民無視が目立つだけです。
国の状況が反インディオに向かっているように見える中、私の仕事である彼らの共同体めぐりは続いています。2年程前から始まった教会堂建設で毎日忙しく走り回っています。森から切り出した材木を組み立て、ブリチの葉で葺いた教会のほとんどが何年かの雨と風によって倒れてしまったからです。土台が土だと建物はもろく、ですから新しい教会堂はセメントでしっかりと固めほとんどがレンガを使って建てられています。今ムリル共同体の教会が完成しつつあり、村の酋長をはじめ全員が一丸となって頑張っているのを見るととても疲れている暇など無いと感じて私自身が元気にされています。この数年のうちに四つの教会が出来上がり、今二つの教会が工事中です。
気が付いたら私はいつの間にかセメントや建設用の資材を融通しそれを運ぶ運転手になっていたのです。建築を絶えず見回りデザインもいろいろ考え窓の大きさ入口の間取りなど決めることまで神父の仕事になってしまいました。
集会などでの聖書の説明や祈りもですが、そこに離れた所から人を連れてくるのも車で走る神父の仕事です。
毎月少なくとも5000キロは走るので毎日神様の助けを求めて走ります。
少なくてもこの地方でのミッションが完了するまで無事に走り続けられますようにと。

こんなこともあってか、誰にも何もかかなくなってしまいましたが、早朝の小さな卓でのミニミサの中では、いつも世界中を回り日本の上空も風のように飛び続けています。
堀江神父とそのミッションに協力してくださっているすべての兄弟姉妹方の上に、慰め、喜びそして必要な健康など、心からお祈りいたします。
間もなく聖イグナチオの祝日になります。(注:7月31日)
彼のようにいつも「マジス」(より一層)の心で自分の安楽から抜け出し、人々の心に「出向いて行く」そんな生活を続けたいと願っています。
今日はこれでお休みなさい。                        

ロライマ、モスコウ村にて 堀江節郎  (7月30日)

「イぺーの花 」 堀江神父さまからの最新のメールです

いつもご協力ありがとうございます。
私も毎日頑張っています。
忘れないうちにまた写真を送付します。
黄色い花はイぺーの花です。(注:写真をクリックすると拡大します)

乾ききった大地にある日少しですが雨が降りました。
突然、冬枯れのような灰色の森の中から鮮やかな黄色が顕われ、私は夢中になって車を止め、
藪の中に潜り込み、こうして素晴らしい花を映すことが出来たのでした。
ほとんど泣いて居ました。
乾燥地帯の紛れもない春の訪れでした。

インディオの子供たちとの写真はロライマの全インデイオ45回民族総会の時に映したもの。(注:メールには添付されていませんでした)
映してくれた人は子供たちに焦点をあて後ろにいる老人は殆ど存在しないかのような映り方でほんとにがっかりしたのですが、彼は子供中心の写真と思ったのでしょう。
まあそれもいいことですね。もし使えたら髪の毛を黒ペンで染めて作成したら何とか使える写真になるかもしれませんね。

最後の写真はロライマのロッケ司教送別ミサのときに奉納式を代表したインでイオ青年たちと映したものです。(注:メールには添付されていませんでした)私の左にいる女性は一緒にミッションを働いているシスターモニカさんです。青年たちは私が働く村の青年たちです。

ではまた写真が出来たらお送りします。
お体を大切に、いつも祈りのうちに。

堀江節郎

堀江神父様からのメールです!

皆様へ

心のこもったお手紙有難うございます。一括して送ってくださった
「手紙の束を11月11日に受け取りました。とても勇気づけられました。
月の山脈ミッションを支えてくださる皆さまに月の山脈を毎日走っている堀江神父から
何の返事も無いのは本当に申し訳ありません。
ロライマ地方は二年続きの干ばつで猛暑の日々が続いています。
赤道直下だから暑いのは当然ですが、たくさんの人が水不足に苦しむのを見るのはつらいことです。
猛暑にもかかわらず、今年はインディオ共同体を回り、
フランシスコ教皇が叫ばれる「私たちの家」である自然の世界への愛と癒しの勉強会を沢山の人々と続ける事が出来たことは感謝です。

大自然に囲まれたインディオの村にいて気がつくことは、森は清らかですが住民の住まいは紙くず、
プラチックの袋などいろいろなごみが散らかっている事です。
使い果たした乾電池などもあちこちに捨てられています。
どんなに自然に囲まれていても人間が住むところには必ずゴミが溜まるのですから、
何もしなければ本当に村はゴミだらけになってしまいます。とりあえず何とかしてこの大地を清く保つために使い古しの乾電池の収集を引き受けることにしました。
すべての共同体をいつも回り歩く宣教師が有毒物質の回収師になるのは素晴らしい使命だと思います。集めたものをボアビスタに運びます。
カリタスブラジルがそこで始めた運動に連結できるでしょう。
日本からのお便りの中でHさんが「断捨離」を励んでおられるとの事、大きな励みになりました。
何もないと言っても、私の住む小屋もいつの間にか色々なごみが溜まってきているのを見ると、
断捨離は私にとっても必須の課題であると感じています。
出来るだけ身軽な生活をしたいと願っていますが。
まあ小屋自体がゆっくりとシロアリなどに食べられているので、耳を澄ませるとサラサラと静かな
微音が伝わってきます。初めの頃は雨の音かと錯覚しました。
雨ではなくより徹底した断捨離への道かもしれません。

間もなくクリスマスですね。全くの無一物で来られた幼児イエスをうまぶねの中に見つけ
神の子の幸せにあやかりたいと思います。母マリアが赤子を布で包んだとのこと、
あれはおむつ用の布だったのでしょう。貧しいマリア様にもクリスマスおめでとう!
敬愛するすべての友である皆さまが、無一文のイエスとマリア様から愛の光と慰め、愛の健康と平和を
もらいますようにと心からお祈り申し上げます。
本当にありがとうございます。

             堀江神父 
             月の山脈モスコーから、  12月3日 聖フランシスコ・ザビエルの祝日

先住民族の「家」を守るためのミッション

先住民族の「家」を守るためのミッション

私は今ブラジルの北、ギアナ国との国境であるロライマ州の草原地帯に住むインディオ民族の中で、イエズス会士のウルバノ神父と三人の愛徳ヴセンチオ会のシスター達と一緒に働いています。草原地帯と言っても、「月の山脈ミッション」と名付けられているように、そこは草原と森と山が交錯し合い、ロライマ独特の自然環境を形づくっていて、その中に二十二の共同体が分散しています。ほとんどがワピチャナ族とマクシ族から成る共同体です。福音宣教者と呼ばれる人間が、インディオ民族の中で働くという事は、キリスト信者である彼らの信仰のための奉仕であるだけではなく、同時にこの民族が社会の中で置かれている状況を見るとき宣教師の生と働きはより一層、社会政治的性格を帯びてくるのを痛感します。
ブラジルの歴史が西欧世界からの武力による侵入と征服、そして先住民族の殺戮と彼らの住む大自然の伐採破壊の歴史であったことは周知のことです。残念ながらこの歴史の根にある白人文化の驕りとインディオ民族の蔑視はそのまま現代に引き継がれています。近年になって少数民族の擁護が国際的課題となり、教会もバチカン公会議後、貧しい人々や尊厳を奪われた民族の回復のために献身するようになって、1988年発布のブラジル国憲法231条では初めてインディオ民族の土地の権利とその文化の尊厳が保障され、各民族の言語による独自の教育がその子弟に施される権利が認められたのです。ブラジルは世界有数の広大な国です。その中にはアマゾン河や大森林地帯を抱え、農業に適した大平原もあります。それでもこの国の大農場主や巨大企業、開発至上主義のすべてのグループはインディオ民族にいわば返還されたはずの彼らの土地を再び奪い取ろうとして巨額の富と政治権力を駆使して絶えず憲法231条を変更させようと色々な憲法修正案が提出されているのです。アマゾン森林地帯に巨大なダムが建設され、石油や天然ガス、数々の鉱石資源採掘などの巨大プロジェクトの地図には必ずインディオの領地が含まれていて憲法231条に抵触することになります。言うなれば彼らにとってインディオは開発の邪魔になります。修正案は国家的次元の開発計画をすべてに優先させ、特に未開のインディオに優先させるべきだと叫んでいるのです。憂慮すべきことには、ベロモンテの巨大ダム工事は憲法違反でありながら、国家的開発事業の名目でまっしぐらに進められています。アマゾンの広大な熱帯雨林はまもなく湖水に沈むでしょう。インディオ領地も孤立させられ生存の機能を失いながら。
現今のアマゾン破壊が世界的大問題となっていますが、この問題の中心は単なる自然破壊ではなく、その自然の中で生存してきた先住民族の生命が危機に瀕しているという点にあります。インディオ民族の生存のための戦いにはどうしても国際的な支援が必要ですし、ブラジルや周りの南米諸国の無数の良心的グループからの連帯も大きな力です。けれども国の憲法によって、そこが彼らの「家」として保障されているインディオ民族こそ自分の家を守る権利と使命を持っている主人公なのです。彼らの団結一致こそこの戦いの本質的武器です。彼らの「家」が安泰である時初めて、この大自然は人類の「家」になるからです。
物事の重大さに直面していますが、実際に私たち宣教者が走っているのは大アマゾンの北の端のその小さな一点にすぎません。スローガンの叫びも垂れ幕もなく、日々の平凡な共同体訪問と人々の生活から学ぶことから始まります。彼らの言語を覚えきれず悪戦苦闘する無力さがかえって彼らから家族のように受け入れられたのです。部落内の互いの一致と和解を勧め、病人を見舞い、リーダーたちには次の集会の知らせを伝え、こうして宣教師たちは部落と部落、共同体と共同体をつなぐ細いけれども切れることのない糸のようだと思います。共同体の祈りの集会はこの民族に本来の力と命の溢れをもたらす最も重要な時です。そこで読まれる福音とその分かち合いから力、勇気、団結心が湧き出るからです。時々首都ブラジリアに現れた裸のインディオ達が弓と矢と古来の踊りで奇声を上げて全国のニュースを賑わすのですが、その声の奥に燃える信仰の炎と必死な祈りを見る人はいないのです。
宣教師と呼ばれてもう四十年以上が過ぎ、老齢になって弱くなり、前よりも兄弟であるインディオの瀬戸際に自分も置かれているのを感じています。魚を獲る矢一本で、巨大な権力のブルドーザーの前に立ちはだかる無数の兄弟たちの只中で、私はいつでも宣教師でした。なぜなら宣教師とは不可能と思われる歴史の只中にあっても奇跡を実現してくださる「出エジプトの神」からの者だからです。
              
(2015年1月22日)ワピチャナ族のモスコウにて  堀江節郎

堀江神父様からのクリスマスと新年のメッセージ

神様の御子が小さな赤ちゃんになって、私たちの
救いのために来られました。

釜石はすばらしいクリスマスだったそうですね。おめでとうございます。
日本滞在中は本当にお世話になりました。たくさん楽しい
事もありました。今もいろいろ思い出して味わっています。
日本旅行中は一度も風邪をひかず頑張っていましたが
ナタールが過ぎてやっと少し疲れが出たようで、風邪気味
です。
月の山脈ミッション支援の会発足とのこと、心から感謝
します。

今から度々記事を送るようつとめます。
家族の皆さんのためにいつもお祈り続け
ます。カリタス釜石のみなさんのためにも
主イエスのクリスマスから恵みと平和、力と
喜びをいのりつつ。
新年おめでとうございます。祝福された年!

主にあって、堀江節郎   30、dez., 2014